山(行書)の縦線の傾き

「山」を行書で書くとき、みなさんはAとBのどちらで書くことが多いでしょうか。

 私の師匠・山下静雨先生はAの、左右の縦線が内側になる書き方でよく書いているので、私も自然とAの書き方をすることが多いです。
 ところが先生の師匠、三上秋果先生は字典やご著書を拝見するとBの書き方になっています。以前から、「三上先生はBの書き方なのに、なぜ山下先生はAの書き方なんだろう…」と疑問に思っていました。

 でもあるとき、元永本古今集を臨書していてその疑問が解けました。元永本ではAの山が多くでてきます。山下先生は元永本などを勉強されてきた仮名書道の先生。元永本の影響などもあってAのように書くことが多いのではないかと思いました(先生に確認したわけではありませんが)。

 普段勉強する古典、古筆の文字が日常の文字に影響している・・・「山」の書き方からそんなことを感じました。

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