ペン字仮名


初めての創作に挑戦

2017年のペン習字研修センター新年会で、ペン字仮名の創作に挑戦して良いと先生から言われましたので、初めて創作に挑戦してみることにしました。

◆きっかけ
私が「この本があれば創作に挑戦できるかも・・・」と思ったきっかけの本があります。
法元康州先生編 『かな古典の学び方【5】 高野切第三種』です。
10年以上前の新年会で、山下先生から「法元先生は本当に上手な先生で・・・」と教えていただいたことがあったので数年前にこの本を買ってみました。山下先生曰く、「法元先生とはかなり古いお付き合いでしたが、お人柄もよくて絶大な尊敬に値する先輩書家でした」とのことです。

この本には臨書の手ほどきから、集字→倣書→創作までの一連の流れが、法元先生や他の先生の作品と共に丁寧に解説されています。
この本に沿って進めていけば創作作品までたどり着けるかもしれないと思い、山下先生に相談したところ「元永本の臨書から始めると良いですよ」と教えて頂き臨書を始めたのでした。

◆集字から創作まで
まずは題材選びです。ここは迷わず西行の歌を選びました。特に詩や和歌が好き、というわけではないのですが西行の『山家集』を学生時代に読んで感動したことがあり、よくペン字の題材に選んでいます。

今回は「たぐひなき花をし枝にさかすれば桜にならぶ木ぞなかりける」にしました。
散らし方は寸松庵色紙を参考にすることにしました。

【集字】
元永本の最初の数ページをコピーし、その中の文字を貼り合わせてみました。最初はいったいどの字を選べばよいか分かりません。例えば「な」は四つありますので「な」「那」「奈」の三つを選んだり、一行の中で字幅に変化がでるように文字を組み合わせ・・・などなど自分なりに考え、結局下記のようになりました。
集字1

【作品1】 集字した文字をもとに書いた作品がこちらです。
創作1
字間が同じにならないようにしたり、集字した文字の形を少し変えてみたりしました。
散らし方は寸松庵色紙の「むめのかをそでにうつしてとめたらばはるはすぐともかたみならまし」 を参考にしたのですが、二行目の行末を一番長くして、三行目、四行目、五行目と行末を上に上げていくまとめ方が大変難しかったです。

先生に添削していただいたものがこちらです。
創作1添削
先生からは「折角の集字ですから形もよく似せてはどうですか。元永の形を完璧にマスターするために!」とのコメントをいただきました。先ほど「集字した文字の形を少し変えてみたりしました」と書きましたが、自分の中で「作品ぽくしなければ!」と思って集字した字の字形をわざと変えてしまっていました。でもそれはやらない方がよかったようです。また、三行目「尓(に)」が「支(き)」に見えるとのことでしたので「尓」は「二」に変えることにしました。

【作品2】 書きなおし、添削していただいたものがこちらです。集字した文字の形によく似せて書いてみました。
創作2添削
先生からは、次のコメントをいただきました。
・三行目の「二」と四行目「里」・・・「行の流れを見ると少し右に」
・四行目「楚」と「奈」の間・・・隣の「盤」と「さ」が「続けていないのでここをつづけてみましょう」

【作品3】 作品2の添削をもとに、もう一度書きなおして添削していただきました。
創作3添削
先生のコメントは、
・二行目「に」・・・特徴的な形で書くとよい
・三行目「須連盤」・・・抽出した字をそのまま続けると無理な時があります。基本の考えとしてなだらかに右下へ流れることが大切。
とのことでした。

【まとめ】
今回初めて創作作品に挑戦してみましたが、自分なりに学んだことをまとめたいと思います。
・集字した文字によく似せて書くことが大切。自己流に変形しない。
・隣の行を意識して書く。隣の文字が続けていなければ、次の行の文字は続ける。
・一文字一文字、元永本の特徴的な字形で書く。
・抽出した字をそのまま続けると無理な時があるため、なだらかに右下へ流れるように続ける。

大変勉強になりましたが、まだまだ創作の入り口に過ぎません。元永本の特徴的な字形で書くには臨書が大切ですし、「なだらかに右下へ流れることが大切」の「なだらか」とはどんな感じなのかは、古筆などを勉強するしかないと思います。

三回提出しましたので、いったん終わりにして、臨書に戻りたいと思います。
今回は西行の春の歌を選びましたので、夏の歌、秋の歌、冬の歌・・・と、この一年で合計4回創作に挑戦できればよいかな・・・と思っています。

ここまで読んでくださった方々、どうもありがとうございました。


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